南海電気鉄道株式会社
スプラッシュトップは「会社と同じことができるやん」
南海電気鉄道株式会社様(以下:南海電鉄)は、わが国最初の純民間資本による民鉄であり、大阪の難波と和歌山、関西空港、高野山などを結ぶ、関西有数の鉄道会社です。また、鉄道のみならず沿線地域の観光、不動産開発、小売りなど事業の多角化を図っており、様々な現場を訪れ、それぞれが担当する業務にあたっています。
そのため、社外でもセキュアな環境で、効率よく業務ができることを望んでいました。そのような課題を抱える中、南海電鉄グループ様では2013年から、スプラッシュトップを導入しています。
スプラッシュトップの導入をリードした同社のIT機能子会社である南海マネジメントサービス株式会社 情報サービス部長の中川和幸様、同課長の山際朗子様、南海電気鉄道株式会社 都市創造本部 施設部長の藤田英晃様、同部で一級建築士でもある松本新様、森田真由美様にスプラッシュトップの導入の背景や、現在までの利用状況、今後のスプラッシュトップに対する期待などを伺いました。
まず初めに、南海マネジメントサービス株式会社 情報サービス部長の中川和幸様に、スプラッシュトップ導入の経緯や導入後の社員の皆様の反応、そして、今後スプラッシュトップに期待することなどをお伺いしました。
スプラッシュトップの導入をリードした同社のIT機能子会社である南海マネジメントサービス株式会社 情報サービス部長の中川和幸様にスプラッシュトップの導入の背景や、現在までの利用状況、今後のスプラッシュトップに対する期待などを伺いました。
南海マネジメントサービス株式会社
情報サービス部長 中川和幸様
それまではVPNを使用していた
スプラッシュトップの導入の経緯は?
2013 年になりますが、当社でお世話になっている会社の社長からスプラッシュトップのことを聞き、凄い製品だと思いました。当社は通常の業務以外にも一部、南海電鉄グループ外向けの仕事をしており、外出する機会が多かったのです。そこで、社外でも仕事がしやすくなるのではないかと考え、試験的にスプラッシュトップを導入してみることになりました。
それまではVPN でやっていたのですが、ローカルにデータを落とすことは避けられませんでしたので、セキュリティ対策ソフトと運用ルールに頼る状況ではセキュリティ面での不安がありました。スプラッシュトップにはその点で不安がないことも魅力に感じていました。また、当社での利用が順調であれば、親会社の南海電鉄でも使ってもらえるようにしたいという将来的な構想も持っていました。
本当に会社と同じ事ができるやん
導入後の皆さんの反応は?
最初に使った人たちは驚いていました。大阪弁で言えば「本当に会社と同じ事ができるやん」という感じでした。例えばExcel での精緻な表作成といった作業に関しては、若干、社内での操作性より劣る部分はあります。ただ、そういった例外を除けば、本当に会社にいる時と同じように使うことができるので、皆さんからも使い勝手が良いという意見をいただいていますし、私自身もそう思っています。当初は10名程度でスプラッシュトップを使い始めたのですが、現在は、グループ全体で100名以上がスプラッシュトップを使っています。
ネットワーク環境が良い・悪いがわかると良い
今後のスプラッシュトップに期待することは?
機能については、ほぼ満足していますのでこれ以上の要望はありません。ただ、ネットワークをベースに使うため、通信が切れると仕事ができなくなって困ります。それは、スプラッシュトップの問題ではないのでしょうが、スプラッシュトップから見たネットワークの受信状況がわかると“通信が切れるかもしれない”という予測ができます。すると、こちらでも切れる前に心構えができるので、ネットワークの環境が良い・悪いがわかると良いですね。
次いで、南海マネジメントサービス株式会社情報サービス部の山際朗子様からは、スプラッシュトップ導入前と導入後の業務の仕方と、導入後の利用法などについて語っていただきました。
南海マネジメントサービス株式会社
情報サービス課長 山際朗子様
出張が多く、社外で仕事をすることも多い
現在の担当業務は?
南海電鉄および南海グループ各社の勤務管理システムのメンテナンス、保守などを担当しています。通常は、メンテナンスや保守が業務なのですが、その他にも、同じパッケージソフトを使っている会社にお邪魔して、そちらの業務をサポートする外販にも携わっています。そのため、かなり出張があり、社外で仕事をすることが多いです。
場所にとらわれず、社内にいるかのように業務を進められる
スプラッシュトップを導入する前に困っていたことは?
今はすっかりスプラッシュトップに慣れてしまっていて、以前のことが思い出せないくらい、毎日スプラッシュトップを使っています。以前から出張は多かったのですが、当時はメールや資料を見たり、社内業務を確認する時には社外用のメールアドレスを利用していました。そして、そこに様々なファイルを送ったり、必要なものを送ってもらったりして、内容を確認していました。
今、思い返してみると、大量のデータが入ったファイルをノートパソコンに入れていたので、もしパソコンを紛失したら大変だったと思います。スプラッシュトップを導入してからは、毎日、ログインしさえすれば社内にいるようにファイルサーバーにもアクセスできるのが良いです。資料をメールで送ってもらうことなく、社内にいるメンバーと同じものが見られるので、場所にとらわれず、社内にいるかのような業務を進めることができます。
会社に戻る必要がなくなった
社外でどのように利用しているか?
社外に出る時の案件によって様々なのですが、他社の会議室で作業することもあれば、移動時間を利用することもあります。例えば空港や電車の中でも、周囲から覗き込まれる心配がない限りは、時間がある時は簡単にアクセスして、すぐに作業ができます。
また、以前は社外にいると、どうしても会社に戻ってこなければならないことがあったのですが、スプラッシュトップは社外にいても社内で業務する状態と変わらないので、会社に戻る必要がなくなったのはとても助かっています。社外では、iPad やモバイルパソコン、スマホを使って作業しています。
さらに、南海電気鉄道株式会社 都市創造本部 施設部長の藤田英晃様には、スプラッシュトップ導入による効果と今後期待することなどについて伺いました。
南海マネジメントサービス株式会社
都市創造本部 施設部長 藤田英晃様
特急列車でSplashtopを利用
現在は、どのような業務に従事?
南海電鉄 都市創造本部 施設部では、不動産及び流通物件の施設管理やリニューアル、新規の開発を行っています。当社の物件は、沿線にいくつもありますので、電車で移動することが多いです。
距離が短かったり、周囲に人が多くいる時はスプラッシュトップを使うことはなかなか難しいのですが、当社の特急列車で難波から和歌山間を走る「サザン」では、指定席がありますし、時間も1 時間ほどかかかるので、そういう時にはスプラッシュトップを利用することができます。
業務時間の有効利用とペーパーレス化
スプラッシュトップを導入した効果は?
最も大きな効果は、業務時間を有効に使えることです。基本的には難波にある本社で業務を行っているのですが、担当している物件が沿線各所にあるため、それぞれの物件に移動する時や、先方との打ち合わせまでの空き時間などにスプラッシュトップがあれば、本社のPC にアクセスできるので、時間をとても有効に使えます。
また、会社として"ペーパーレス化"を推進しようという動きがあります。スプラッシュトップがなければ、いろいろな書類を持ち出して行かなければならないのですが、社内データを遠隔で操作できるので、現地に書類を持って行かなくても、必要な書類や図面をすぐに見ることが出来るのは、とても大きな効果だと思います。
遠隔からの電源のオン・オフ
今後、期待していることは?
ペーパーレス化を進めていますが、まだ、いろいろな会議ではどうしても書類をコピーして紙を使用しなければならない現状です。しかし、スプラッシュトップの導入台数が多くなれば、同じ資料を皆で一緒に見ることが出来るので、さらにペーパーレス化が図れるのではないかと考えています。機能については、電源のオン・オフは本体で行わなければならないのですが、それが遠隔でも操作できるようになれば、さらに使いやすくなるのではないかと思います。
南海電気鉄道株式会社 都市創造本部 施設部 一級建築士松本新様からは、スプラッシュトップの活用状況、さらなる要望など、ご意見をいただきました。
南海マネジメントサービス株式会社
都市創造本部 施設部 一級建築士 松本新様
法的に審査が通るかどうかなどを専門的な視点で確認
現在の業務内容は?
主に沿線や都心から離れた郊外の施設の管理、新しい開発の企画、設計の管理を行っています。現場に行って、設計上の意図がしっかり工事に反映されているかどうか、法的に審査が通るかどうかなどを、専門的な視点で確認しています。
iPad だけで全ての資料を持ち運ぶことができる
スプラッシュトップをどのように活用しているか?
現場では、資料の確認が中心です。資料は会社のパソコンに膨大な量が入っており、それを現場まで持っていくのがとても大変でした。しかし、スプラッシュトップを使えば、iPad だけで全ての資料を全て持ち運ぶことができます。また、現場で図面を見ながら指示を出すことができるので、非常に役に立っています。以前は、その現場ではこの資料が必要だろうと予測して持って行っていましたので、そういったロスもなくなりました。
パスワード入力手続きの改良
こういう機能があればさらに良くなるというアイデアは?
機能ではないのですが、やはり電波状況が悪くて、通信が途切れてしまった時、あらためてログインしてパスワードを入れるという作業が出てきます。会社のパソコンでも当然パスワードがあるのですが、そういった点が改善されれば、社外での利用もさらにスムーズになると思います。
最後にお話を伺ったのは、南海電気鉄道株式会社 都市創造本部 施設部 一級建築士 森田真由美様から、スプラッシュトップを利用して感じられた利点や通常の利用方法などのお話を伺いました。
南海マネジメントサービス株式会社
都市創造本部 施設部 一級建築士 森田真由美様
iPadひとつでどこでも行けるようになった
スプラッシュトップを利用して良かった点は?
以前は、必要な資料を持ち歩いていたのですが、一棟の建物でもかなり分厚いファイルになりますので、荷物が多くなっていました。スプラッシュトップを導入した後は、iPadひとつでどこでも行けるようになったので、荷物がかなり簡素化されたと思います。また、移動中にメールがチェックできるのは良いです。例えば、東京への出張がある時は、新幹線の中でメールや現地で必要な資料のチェックができるので、時間を有効に活用できています。新幹線内は特に通信の不具合が起こることもないので、ストレスなく使えています。
遠隔からの図面の照合
普段の業務ではどのようにスプラッシュトップを利用していますか?
業務としては、主に沿線の高架下や土地の開発を行っているので、現場で図面を見ることがとても多いです。会議で内容を確認し、現場でその内容通りになっているかを、図面を見ながら照合するので、そういった時に遠隔で社内にあるデータを見ています。もちろんiPadで見る図面と、通常の図面では大きさが異なりますので少し不便に感じることもあります。しかし、iPad でも拡大してある程度のところまで見ることはできますので、大きな問題はありません。