導入事例インタビュー
決め手は、専門知識がなくても扱えるシンプルさと、導入しやすい価格帯。小規模でも取り組みやすいシステムでした。
総合埠頭株式会社
創立52年目の総合埠頭株式会社は、三河港を拠点に港湾運送業・通関業・海運代理店業など、幅広い輸入関連事業を手掛けている会社です。中でも、海外輸入自動車の取り扱いに関しては、日本全国の約3割を同社が担い、業界を支えてきました。
2020年の新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、リモートワークの導入が必要となりました。「中小企業でもできることからやってみよう」と、リモートツールの選定や業務内容の精査を開始。新しい試みに対して迅速な意思決定で変化し続ける同社に、スプラッシュトップ導入前後の課題や活用方法などについて、まずは、代表取締役の広浜全洋氏にお話を伺いました。
総合埠頭株式会社 代表取締役社長 広浜 全洋 氏

中小企業や資力の少ない企業にもスプラッシュトップを知ってほしい
総合埠頭株式会社の概要を教えてください。
愛知県豊橋市にある三河港で港湾役行と通関業を営んでおります。主に海外からの輸入幹線自動車や建設資材の石こうボードなどの原料でもある石灰石、家畜の飼料であるトウモロコシ、最近ではバイオマス発電の燃料である再生燃料を輸入し、港湾荷役として三河港におろして運ぶ作業を行なっております。
実はこの三河港は、弊社でも取り扱っている海外輸入自動車の取り扱いが29年間日本一なのです。おおよそ日本全国で年間40万台を輸入するのですが、その半分をこの三河港で取り扱っております。そして、そのうちの3割程度を弊社が明海埠頭で取り扱っているので、日本で走っている海外輸入自動車の4〜5台に1台は、弊社で取り扱っている自動車ということになります。主にドイツ車のフォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェ、ランボルギーニなどを弊社で一手に取り扱っています。
リモートワーク導入のきっかけは?
弊社には「オープン アンド フェアでいこう」という経営理念があります。コンプライアンスやガバナンスに関しても、弊社では迅速な意思決定を目指しています。そのために社員それぞれが自由に発言し、もちろん議論も行います。議論した後どういう方向性で進めるかも「オープン アンド フェア」を常に心がけています。
リモートワーク導入検討に関しては、働き方改革や健康経営などの流れを見て、総務管理部の若手が講習会に参加したことから始まりました。弊社のような中小企業でも「できることからやってみよう」という考えから動き出したことがきっかけです。
働き方改革として弊社では、女性活躍推進の取り組み「えるぼし」や健康経営など、身の丈にあった制度から取り組んでいます。その結果、2年前には豊橋の「健康優良事業所」として最優秀賞を受賞し、通産省の健康経営「BRIGHT500」を2年連続で受賞することができました。
賞をとるために取り組んできたのではありませんが、「自分たちの職場環境を、できることから変えていこう」と行動した結果が評価につながりました。若手の意見があったからこそ、それに賛同し「やってみよう」という考えに至ったということが、1番大きなきっかけとなりました。
スプラッシュトップを採用したきっかけは?
使いやすくセキュリティもしっかりしていることや、比較的安価で利用できることにつきます。難しいシステムを勉強しないと対応できないということもなく、比較的シンプルな操作で導入できました。
社員数が少ない会社にとっても取り組みやすいシステムであり、資材資力の小さい会社でも導入できるツールがあるということを、利用検討されている方々には特に伝えたいですね。
リモートワークの導入でスケジュール共有が円滑に
導入後の運用方法は?
9~17時の就業時間中、自宅での就業状況は見えません。その対策として、弊社では在宅での勤怠については始業と就業は最低限入力する、別のアプリでスケジュール管理を行うというルールを設けています。
議事録や報告書などで在宅勤務時の業務内容を全て管理しようとすると、そのために時間を費やすことになるので、最低限の項目を上司や仲間と共有するようにしています。リモートワークをするまでは、毎日のスケジュール共有は特に行っていませんでしたが、この体制をとるようになってからは、出社時にも自然と互いにスケジュール共有を行うようになりました。ある意味、業務の棚卸しではありませんが、仕事の進め方について考えるきっかけにもなりました。
スプラッシュトップ導入後の社員の反応は?
反応はとても良いです。「在宅で業務をすると大変」という声も聞きませんし、実際に前向きに使う方向でいろいろな意見が出ています。
導入当初は、弊社で提供するハード環境に対しての要望は様々ありましたが、ソフトに関しては特にありません。「在宅勤務ができてありがたい」という意見もあり、その背景には通勤時間がなくなることや感染疑いを含むコロナであっても出社せず自宅で働けることがあげられています。
その他、弊社では女性社員が多いので、育児、介護、病気と仕事の両立がしやすいという意見もありました。ただ、どこまでを社業とするのかを考えると、全てを在宅にすることは難しいところがあります。しかし、現状ではコロナのまん延防止が解除されても、週1日は在宅勤務を継続していく方針です。社員もこの体制に満足しているようです。
リモートワークは、会社の成長と社員の満足を実現するための一つの手段
今後の働き方の展望は?
今までにない新型コロナをはじめ、災害や女性の活躍、仕事、病気、介護との両立、BCPなどを一気に同時並行で進められるので、せっかく導入したこのリモートワーク制度は継続していきたいと考えています。
リモートワークをきっかけに、仕事の進め方や業務内容の棚卸しなどの見直しにも取り組んでいるので、こちらも継続していきたいですね。ただ、せっかく導入しても継続しないとリモートワークの働き方も忘れてしまうので、当分は週1日だけは継続していく予定です。
今年で創立52年目になりますが、50年目に会社の経営理念として「会社の成長・お客様の信頼・社員の満足・暮らす社会への貢献」の4つを定めました。会社の成長と社員の満足という点では、こういう働き方改革を通じて一つひとつ実現していきたいと常々考えているので、これからも努力していきたいと思います。
「中小企業でリモートは難しそう……。」そのイメージを一掃。スマホ1つで、どこからでも業務遂行が可能に。
次に港湾部 港湾グループ 課長の馬飼野 亨氏にお話を伺いました。
港湾部 港湾グループ 課長 馬飼野 亨 氏

業務について教えてください
港湾運送事業に関わる作業管理や労務管理を担当しています。海を介した作業を大手商社や大手企業の間で行い、なおかつ港湾運送事業という特殊な船を相手に調整しながら作業を行う業務です。作業管理上滞りがあると船を待たせることになり、それに伴い、1日待船料も莫大な費用が発生します。他にも、作業を行う会社を待たせることで発生する費用や、キャンセルがあればキャンセル料も発生するので、非常に気を使う必要がある業務です。
リモートワークのイメージは?
システム上すごく煩雑な部分がありそうで、大手の情報システム部門があるような企業でないとできないようなイメージを持っていました。業界としても、新しいことへ積極的に進んでいくような業界ではなく、古くから続くやり方を大事にしているイメージがあります。どちらかというと、中小企業の中で新しいことへの取り組みは難しいのではないかという先入観を持っていました。
1分1秒を争う場面でもその場で対応できるように。
導入前の課題は?
在宅勤務ができる環境が構築される前は、コロナに対する怯えが世間的に拡がりつつあったのですが、当時は交代勤務や自宅待機など、なるべく人と接しない環境づくりしかできませんでした。業務を行うツールとしては、チャットや携帯電話のみを使用していました。コロナが流行り始め、交代勤務や自宅待機などで対応せざるを得なかったので、業務の滞りが発生しやすかったことも課題でした。
「今すぐ見積りを出して欲しい」等の依頼があっても、見積もり作成には特定のソフトが必要なので、すぐに対応できる環境ではなく……。「メールを見て欲しい」と言われても確認できるツールがなかったので、1〜2日後の対応になっていました。
スプラッシュトップの活用方法は?
現場作業をしながらでも、スプラッシュトップを利用して直接自分のパソコンを確認することができるので、現場から岸壁などへの移動時間を削減できています。また、在宅勤務中でも滞りなくお客さまへのサービス提供もできています。業務の中には1分1秒を争うような場合もあるので、そのような時でも場所を問わず、すぐ確認でき回答できることも非常に助かっています。
私の場合は現場でタブレットを持ち歩くことが難しく、なるべく小型のものを持ち歩きたいので、スマートフォンだけを持ち歩いています。それでもパソコンの内容を全て確認することができるので、お客様への回答も滞りなくできています。現場にいながら事務作業も行えるので、現場作業と事務作業の両立がしやすくなりました。
スプラッシュトップの導入で、業務効率化とワークライフバランスの推進へ。
スプラッシュトップ導入後の変化は?
在宅勤務を増やせることによって、業務の生産性や効率化にも繋がっており、ワークライフバランスも推進できています。個々の休みが取りやすくなりましたし、自分の趣味などに費やす時間が増えたように感じます。また、社外に書類を持ち出しお客様と話をするという必要性も無くなったので、ペーパーレス化にも繋がっているので、環境にも配慮したツールであると感じています。
この記事のPDFはこちら